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スティーヴィー・ワンダー ある天才の伝説

これが今読める唯一無二のスティーヴィー・ワンダー完全ガイド

「スティーヴィーは世界が生んだ最も偉大な奇跡(ワンダー)の1つだね」
――ポール・マッカートニー

「スティーヴィー・ワンダーの偉大な曲を聴いてなかったら、世界はまったく違っていただろうね」
――ハービー・ハンコック

「数十年後、数百年後に音楽の歴史を語るときには、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、レイ・チャールズ、そしてスティーヴィー・ワンダーの名前が挙げられるだろう」
――エルトン・ジョン

※マイルズ・デイヴィスやバート・バカラックとの2ショットなど貴重な写真も満載!

“奇跡”の音楽家スティーヴィー・ワンダーの、生い立ちから順に、オリジナル・アルバム30枚以上に及ぶその作品をたどるかたちで振り返っていく、伝記であり、ディスク・ガイドであり、研究本です。
とくに最もエキサイティングな1972年の『心の詩』から1976年の『キー・オブ・ライフ』に至る70年代の5枚の傑作アルバムについては前例がないほどに深く丁寧に追求。
当時の社会状況や、スティーヴィー個人におこった奇跡的な事故や出来事、他ジャンルの音楽との相互影響や比較などもあわせて考察します。
また、モータウンや音楽業界の細部、共演ミュージシャンの裏話、楽器やレコーディング機材についても詳細に言及しており、共同プロデューサーでありシンセサイザーの専門家として独創的なサウンド作りに貢献したマルコム・セシルとロバート・マゴーレフにもスポットを当てます。
さらに曲をテーマ別に分類し、例えばスティーヴィーのファンクへの傾倒、社会的・政治的メッセージソング、純粋なポップソング、とりわけ感情に訴えるバラードから、ラテン、ジャズ、クラシックなどの影響を受けた曲まで、追っていきます。
聴きかじりのポップスファンにとっては、スティーヴィー・ワンダーという名前は1980年代の、大ヒットこそしたが当たり障りのないいくつかのバラードのイメージが今なお不当についてまわっているかもしれません。しかしコアな音楽ファンにとって、1970年代の全盛期におけるスティーヴィーには神憑かり的な何かがあり、強大なオーラを放っていたことは明白であり、このバイオグラフィーがそれを証明しています。
音楽ファンはもちろん、プロ・アマとわずミュージシャンや音楽業界関係者にもおすすめ!

【ちょっと立読み】
 「迷信(Superstition)」は誕生から発表まで困難続きだったのは間違いない。エレクトリックレディスタジオで、セシルとマゴーレフが元ヤードバーズのギタリスト、ジェフ・ベックをプロデュースしていたことがきっかけだ。話によるとスティーヴィーがロンドンでベックと会ったとき、ベックが自分のアルバムにスティーヴィーの「メイビー・ユア・ベイビー」のヴァージョンをカバーすることで2人は同意した。それからニューヨークで再会したとき、今度はスティーヴィーの気が変わり、その曲を自分で発表したくなり、代わりにベックに「迷信」をレコーディングするよう持ちかけた(ベックの話では、もともと「迷信」のグルーヴが生まれるきっかけを与えたのは自分で、スタジオでスティーヴィーのドラムキットで遊んでいたとき思いつき、それでスティーヴィーからその曲をもらったということだ)。
 だがスティーヴィーはベックの「迷信」ヴァージョンを聴いて、考えを変えてこの曲の可能性を察し、もう一度自分で手がけようと考えたらしい。ベックのレコード会社、コロンビアは当然これを聞いて憤慨し、マゴーレフ&セシルとベックとの関係が気まずくなったようだ。この頃モータウンはここらで大掛かりなシングルを発表する時期に来ていると考え、スティーヴィーが懐柔策として『トーキング・ブック』からの最初のシングルに「ビッグ・ブラザー」か、せめて「サンシャイン」をリリースしてはと提案したが、モータウンは「迷信」をすぐリリースすることを押し切った。
 スティーヴィーは後にこう語っている。「僕はモータウンに面倒なことになるからよしたほうが、と言ったんだけど向こうは『だめだ、シングルのリリースはこっちで決める』ってことになって」という訳で、1972年10月24日、スティーヴィーの「迷信」が遂に発表された。難産だったが、元気な子が無事誕生といったところだ。
 これにがっかりしたジェフ・ベックは1973年のアルバム『ベック・ボガード&アピス(Beck Bogard & Appice)』で、自身のヴァージョンを発表した。こうしたすったもんだのエピソードはあったが、スティーヴィーとジェフは再び組むことになり、1975年の傑作『ブロウ・バイ・ブロウ(Blow By Blow)』でベックはスティーヴィーの曲を2曲レコーディングした。もちろんベックは『トーキング・ブック』でも「迷信」以外の曲「アナザー・ピュア・ラヴ」で、音を自由に滑らせるようなスタイルのギターを披露している。
「迷信」が最初に店頭に並んだとき、すぐさまヒットとはならず、チャートのトップに立つまでに3カ月かかった。だが1973年1月27日にはポップとR&B両方のチャートでトップに立ち、これはスティーヴィーにとって1963年の「フィンガーティップス」以来のこととなった。
 スティーヴィーは自分のクラヴィネット(ホフナーのCモデル)を「ファンキーで、ダーティーで、臭みがあって猥雑な楽器」として披露したがっていた。ちょうどローリング・ストーンズとのツアーが終わった時期だから、自然とキース・リチャーズの生々しくて悪臭を放つロックンロールのいろんなリフを聴いて、これをまねてみたいと思ったのだろう。
<中略>
 とにかく、この曲を聴いて楽しまずにいるなんてことは難しい。脚とヒップが完全に耳から離れてしまえば別だけど。

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